韓国の李在明(イジェミョン)大統領は19日午後、ソウルの大統領府で読売新聞の単独インタビューに応じた。日韓の懸案である慰安婦や元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟の問題を巡り、韓国の過去の政権が日本と結んだ合意に関し「覆すことは望ましくない」と述べ、踏襲する考えを強調した。日本を「とても重要な存在」と位置づけ、経済や安全保障面での関係強化に意欲を示した。李氏は23日、就任後初来日する。
李氏は大統領執務室で約1時間半、老川祥一・読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆の質問に答えた。6月の大統領就任後、李氏が韓国メディアを含む報道機関の対面インタビューに応じたのは初めて。 日本との関係について、李氏は「とても重要な存在だ。韓国も日本にとって有益な存在になれると思う。双方にとって利益になる道を発掘して、協力できる分野を広げていかなければならない」と語った。
日韓対立の要因となってきた慰安婦や元徴用工などの歴史問題に関しては、「なるべく現実を認め、お互いに理解しようと努力し、対立的にならないようにしながら解決していけばいい」と訴えた
慰安婦問題では、安倍政権が2015年に当時の韓国の朴槿恵(パククネ)政権との間で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し、元徴用工問題については、尹錫悦(ユンソンニョル)前政権が23年に解決策をまとめた。李氏が所属する左派政党「共に民主党」は、これらの解決策に強く反対してきた経緯がある。李氏はインタビューで、「韓国国民としては非常に受け入れ難い前政権による合意ではあるが、国家としての約束であるので、覆すことは望ましくない」と述べ、維持することを改めて明言した
その上で、「政策の一貫性と国の対外信頼を考えながら、一方で国民や被害者や遺族の立場も真剣に考慮する二つの責任を同時に背負っている」として、両国が長期的で「より人間的な観点」から議論を進めることを提案し、韓国国民の感情への配慮も求めた
李氏は23~24日、就任後初めて来日する。23日に予定されている石破首相との首脳会談に関し、「どのような面で協力できるのかについて話をするだろう」と述べ、経済や安全保障、人的交流分野での協力拡大を議論する考えを示した。信頼を積み重ねるため、日韓の首脳が頻繁に相互訪問する「シャトル外交」の有用性も強調した
日本の小渕政権と韓国の金大中(キムデジュン)政権が1998年に発表した「日韓共同宣言」にも触れ、「韓日関係に新しい区切りをつけた」と評価した。その上で、「宣言を引き継ぎ、それを超える新しい共同宣言を発表することができればと思う」と語り、在任中の作成に意欲を示した