オリエントの最古の国際関係
前2000年紀(前2000年~前1000年)のオリエント世界は、広範囲な民族移動の時代であり、ミタンニ人の動きもその一つであった。前2000年紀後半にはメソポタミア北部にミタンニ、南部にカッシート、アナトリア(小アジア)にヒッタイト、エジプトに新王国らが分立し、抗争を繰り返しながら国際関係を結んでいた。この時期に、最初に覇権争いの主導権を握ったのがフリ人のミタンニ(前16世紀末~前14世紀後半)だった。ミタンニはフリ人がメソポタミア北西部からシリア北部にかけて建国した。その首都ワシュカニは現在のイラクのテル・ファハリヤともされているが、いまだに発掘されていないので正確なことはわからない。<小林登志子『古代オリエント史』2022 中公新書 p.53->