複数のメディアによると、ドイツ・ノルトライン＝ヴェストファーレン州で9月14日の地方選挙を前に、AfD（ドイツのための選択肢）の候補者・予備候補者計7人が8月中旬以降に相次ぎ死亡した。

警察は自然死や既往症、自殺などと説明し「犯罪の証拠はない」と強調しているが、異例の連続死は国内外で大きな波紋を呼び、経済学者シュテファン・ホンブルク氏は「統計的にほぼあり得ない」と指摘。アリス・ワイデル共同代表やイーロン・マスク氏も懸念を拡散し、国際的議論に発展した

死亡は候補者のラルフ・ランゲ氏、ヴォルフガング・クリンガー氏、ステファン・ベレンデス氏、ヴォルフガング・ザイツ氏の4人と、予備候補者3人。

ヴォルフガング・ザイツ氏が59歳で亡くなったことが8月21日に発表された。ブロンベルク市は8月27日にラルフ・ランゲ氏が「不幸な死」を遂げたと発表。 バート・リップシュプリンゲ市は8月28日にシュテファン・ベレンデス氏（59歳）が「突然亡くなった」と述べ、シュヴェルテ市は8月19日にヴォルフガング・クリンガー氏（71歳）が「突然亡くなった」と発表した

その後、AfDのノルトライン＝ヴェストファーレン州支部の副州支部長は火曜日、直接候補のハンス・ヨアヒム・キント氏（80歳）と予備候補のルネ・ヘルフォルト氏、パトリック・ティーツェ氏の死を確認した。

AfDは支持率25～26％で首位に立ち、与党CDUと接戦を繰り広げる中、選挙結果や有権者心理への影響が懸念されている。

政府は「他党候補にも死亡例がある」と釈明するが、短期間に同一政党から7人が死亡するのは前例がなく、民主主義の公正性に疑念が強まっている。一連の死者発生を受け、著名人たちは、このような事態の発生確率の数学的妥当性に疑問を呈している

ライプニッツ・ハノーバー大学公共財政研究所の元所長で、ドイツの経済・統計学者シュテファン・ホンブルク教授は、100万回以上閲覧されたソーシャルメディアの投稿で、これらの死は「統計的にほぼあり得ない」と断言した。今回の異常事態は、AfDが西部で勢力を拡大しつつある重要選挙に大きな影を落としている