小さな町の菓子店の商品に毒入りチョコレートボンボンが混ぜられ、死者が出るという惨事が発生した。事件を巡って村人が疑心暗鬼となるなかで、村の実業家が自ら提案した心理学的なテスト中に殺害される。透明人間のような風体の人物に緑のカプセルを口に入れられるという寸劇で、青酸を飲まされたのだ。目撃証言は当てにならないという実業家の仮説どおりに食い違う証言。事件を記録していた映画撮影機の謎。そしてフェル博士の毒殺講義。シリーズを代表する傑作ミステリー
カ-の作品の中ではオカルト・怪奇趣味はなく、確かに「皇帝の嗅ぎ煙草 入れ」に近いテイストの作品
でも「皇帝・・」ほどシンプルなトリックで、読者をアッと言わせるイン パクトに乏しい
毒殺講義もありますが、「三つの棺」にある密室講義に比べると明快さ に欠ける印象