「電気重力」とは、電場が重力と相互作用し、反重力のような推進力を生み出すという仮説上の現象だ。SF映画やコミックではお馴染みの夢の技術だが、現実には証明されておらず、主流科学の世界では懐疑的な目が向けられている。
この概念を広めたのは、発明家のトーマス・タウンゼント・ブラウンだ。彼は、非対称なコンデンサ(電気を蓄える部品)に高電圧をかけると、小さな電極の方向へ推進力が発生することを発見した。これが「ビーフェルド・ブラウン効果」と呼ばれる現象だ。ブラウン自身はこの力を重力制御だと信じていたが、現在では「イオン風(イオン化した空気が移動することで生じる力)」によるもの、というのが科学界の一般的な見解である