浅黒い肌にいかつい風貌、両眼から放たれる眼光は相手を射抜くほど鋭く、土俵上では近寄りがたい雰囲気を醸し出していたが、素顔は気さくで人間味にあふれ、サービス精神も旺盛。そのギャップもまた、松鳳山の大きな魅力だった。
福岡県築上郡築上町出身で、少年時代は柔道や野球に打ち込み、本格的に相撲を始めたのは大分県立宇佐産業科学高校に入学してからだった。その後、駒澤大学を経て平成18(2006)年3月場所、当時の松ヶ根部屋から本名の松谷の名で初土俵を踏んだ。
序ノ口デビューから負け越しなしで、入門から約1年半後の平成19(2007)年7月場所は幕下9枚目に躍進。関取も目前にしたが、幕下上位の壁は厚く、新十両まではさらにそこから約2年半も要した