賃貸借期間・更新・更新料
たまに、賃貸借期間について、「賃貸借期間は上記表『契約期間』欄記載のとおりとする。」としか記載していない契約書を見かけますが、これでは契約が更新された後の賃貸借期間が明らかでなく、賃借人に不利になります。
通常は、契約を更新した後の賃貸借期間は従前の期間と同じとすることが多いので、そうであればその旨明記した方が良いでしょう。
また、更新には合意更新と法定更新があり、更新が法定更新と解されると更新後は期間の定めのない賃貸借契約となりますし(借地借家法26条第1項)、更新料を定めていても更新料を請求できなくなる可能性があります。したがって、合意更新となる要件はきちんと明記しておいた方がよいでしょう。
...もっと見る更新料条項についてはその有効性について争いがありましたが、平成23年の判例によって「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り」消費者契約法10条に反して無効にはならないと解されています。この判例は更新料を賃料の2か月分、更新期間を1年とした条項を有効と判断していますので、賃料1ヵ月分程度であれば無効と判断されるおそれはほとんどないといえます。
前述のとおり、更新には合意更新と法定更新があり、法定更新の場合には更新料は請求できないとした裁判例もありますので、更新料は合意更新と法定更新とを問わず請求できるという規定の仕方をしておいた方がよいでしょう。
例)第○条(賃貸借期間)
1 賃貸借期間は、上記表「契約期間」欄記載のとおりとする。
2 本契約は次の各号のいずれにも該当する場合、本契約期間満了日の翌日から起算して○年間同一条件にて更新されるものとし、以降も同様とする。
(1)乙より期間満了日の2ヵ月前までに、本契約を終了させる旨の意思表示がないとき
(2)甲より期間満了日の6か月前までに、正当な事由に基づき本契約を更新しない旨又は賃貸条件を変更しなければ更新しない旨の通知がないとき
3 本契約を更新する場合、合意更新か法定更新であるかを問わず、乙は、甲に対し、更新料として賃料の1ヵ月分を支払うものとする。