ファンタジー作品『ゲーム・オブ・スローンズ』には、緑色に燃え、水でも消えない兵器「ワイルドファイア」が登場する。荒唐無稽に思えるが、これによく似た兵器が現実に存在した
「ギリシアの火」だ。672年、ヘリオポリスのカリニコスが発明したとされる焼夷兵器で、水をかけても消えないという特性は物語さながらだった
東ローマ(ビザンツ)帝国はこれを国家機密として守り、13世紀まで戦争、とりわけ海戦で猛威を振るった。壺で投げたり筒から噴射したりして敵を焼き払ったという。正確な配合は今も不明だが、ベースは石油で、歴史家ジョン・ハルドンは可燃性の高いナフサや松脂が加えられていた可能性を指摘している