JR西日本の倉坂昇治社長が毎日新聞のインタビューに応じ、5年以内に運賃の値上げを実施する方針を明らかにした。これまでの値上げは一部の路線や区間に限られており、全面的には1987年の民営化以降初めてとなる。今後5年間で新幹線や在来線の車両更新に5000億円を投資する見通しで「この数年のうちに運賃の値上げをしなければ、鉄道事業を持続的に運営できない」と述べた
鉄道運賃の値上げは国土交通省に申請する仕組みで、人件費や設備費などの経費に適正な利益を上乗せした「総括原価」に基づいて判断される。JR西は2030年度までの中期経営計画で2兆6200億円の投資を公表。車両の更新に加え、不動産や流通事業を強化する戦略を掲げている
倉坂氏は「経営効率を高めてきた今現在に運賃改定の余地はないが、足元では相当なインフレが進んでいる」と説明。車両更新に伴う費用も上昇しており、今後値上げをしなければ赤字の見通しが立つ「改定の余地」が出てくるとした
異業種との協業では、りそなホールディングス(HD)と資本業務提携を結び、ポイント機能「WESTER」を活用した新銀行サービスの開始を目指している。鉄道中心の収益構造から転換を図る考えで、倉坂氏は「安全への投資をはじめ鉄道会社として持続的に進化していくには、一定の経済的な利益が必要だと思う」との認識を示した