日本を代表する芸術家の草間彌生(くさま・やよい)さんが、今月14日に都内の病院で死去したことがわかった。97歳。公式サイトが27日に発表した。水玉や網目模様を反復させた作品や、代表モチーフである「かぼちゃ」、鏡を使った「インフィニティ・ミラー・ルーム」などで世界的に知られ、世界の現代美術に影響を与え続けた
草間さんの公式サイトは「草間彌生が2026年8月14日に都内病院にて永眠いたしました」と訃報を発表。「美術を中心にパフォーマンス、小説、詩など多方面における前衛芸術家としての国際的な活動にすべてを捧げ、亡くなる直前まで絵筆を手放すことなく、永遠の愛と魂を探究し続けた97年の生涯でした」とし「私たちは作家の遺志を受け継ぎ、芸術を通して、世界中の人々に希望と未来への力を届けていきたいと考えています」と伝えた
草間さんは1929年3月22日生まれ、長野県出身。幼少期から幻視や幻聴を体験し、10歳ごろから水玉や網目をモチーフに絵を描き始めた
1957年に渡米し、ニューヨークを拠点に活動。鏡や電飾によるインスタレーションなど斬新な発想で、既存の美術の枠を超える作品を次々と発表した。単一のモチーフを徹底して反復、増殖させることで、個と世界の境界を消していく「自己消滅」という独自の芸術哲学を打ち立てた
1973年に日本へ帰国。詩や小説の執筆にも取り組み、1983年には小説「クリストファー男娼窟」で野性時代新人賞を受賞した。その後も野外彫刻や大型インスタレーションなど、多様な作品を発表した
絵画では2009年に「わが永遠の魂」シリーズの制作を開始。2021年までの12年間で約900点に及ぶ作品を制作した。同年には新たな絵画シリーズ「毎日愛について祈っている」の制作も開始。亡くなる直前までアートを生み続けた
その功績は国内外で高く評価された。2000年に芸術選奨文部大臣賞、2001年に朝日賞、2003年にフランス芸術文化勲章オフィシエ、2006年に旭日小綬章と高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞。2009年には文化功労者に選ばれ、2016年には文化勲章を受章した
2017年には東京・新宿区に「草間彌生美術館」が開館。世界各地の主要美術館でも大規模な展覧会が開かれており、日本を代表する現代美術家として国際的な評価を確立した