語られてきた発見譚はこうだ。1924年、ベリーズの古代マヤ遺跡ルバアントゥンを発掘中、17歳の誕生日を迎えた娘アナが崩れた祭壇の下からスカルを発見した——実に絵になる話である。
ところがオークション記録をたどると、まったく別の姿が浮かび上がる。1943年10月15日、ロンドンのサザビーズで骨董商シドニー・バーニーから、ミッチェル・ヘッジス自身がこのスカルを購入したという記録がしっかり残っているのだ。同年12月に兄へ宛てた手紙でも、本人がこの購入を認めている。
一方の「娘が発掘した」という話は、当時の発掘記録にも、同時代の写真にも、第三者の証言にも一切出てこない。ミッチェル・ヘッジス自身の著作でさえ、発見地や発見者を明記していないというから、後から誰かが物語に色をつけた可能性は高いと言わざるを得ない