注目すべきは、彼自身がそれまでUFOや地球外生命に懐疑的だったと語り、誠実さを示すために嘘発見器の検査を受けてもよいと申し出たことだ。作り話で名を売ろうとする人物の振る舞いとは、少なくとも様子が異なる。
背景も見逃せない。研究者デヴィッド・ウェッブ氏の報告によれば、前年1973年の8月から12月にかけて全米で約70件もの搭乗者遭遇報告が記録され、後に「ヒューマノイドの年」と呼ばれた。2人の漁師が灰色のしわだらけの存在に連れ去られたと訴えたミシシッピ州パスカグーラ事件も、この波の中で起きている。彼の証言は、天文学者J・アレン・ハイネックが「第三種接近遭遇(CE3)」と分類した類型の、遅れてきた一例にあたる。
奇妙なのは、その後の扱われ方である。全身が毛に覆われた大型の存在という特徴だけが独り歩きし、UMA関連の文献では「空飛ぶ円盤を操縦するビッグフット」の事例として紹介されるようになっていった。研究家ジェローム・クラーク氏はUFOとUMAの境界事例として整理し、ウィスコンシンの怪異をまとめた書籍にも収録されている。だが本人は、自分が見たものを類人猿になぞらえる見方を一貫して拒み続けた