国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に日本の「書道」が登録される見通しとなった。ユネスコの評価機関が登録を勧告した。文化庁が5日発表した
11月30日~12月5日に中国南部・福建省アモイ市で開かれるユネスコ政府間委員会で正式決定する。登録されれば2024年の「伝統的酒造り」に続き、国内では24件目になる
書道は筆や墨、すずりを用い、伝統的な筆遣いや技法で漢字や仮名を書く表現行為。文字を彫り印章を作る篆刻(てんこく)も含まれる。手紙や正月の書き初め、冠婚葬祭の際の記帳など日常生活のさまざまな場面で用いられ、「日本の社会的な慣習となっている」として、政府が登録を申請していた
書道の歴史は古く、中国から漢字が伝わる中で、6世紀ごろには仏教の伝来とともに写経が盛んになった。平安時代中期には遣唐使の廃止などにより日本独自の書風が生まれ、和歌の文化が栄える中で「かな」の書が発展。優れた書は鑑賞の対象として尊重される一方、これらを手本に書き方を習うことは教養として広まってきた
学校の授業を通じて書道を経験する人は多いものの、20年の文化庁の調査によると卒業などによって約9割が書道から離れてしまう。パソコンやスマートフォンの普及による手書き文化の衰退もあり、15年に書家らが書道の無形文化遺産登録を目指し、「日本書道ユネスコ登録推進協議会」を設立。21年には、法改正により創設された国の登録無形文化財の第1号として「書道」と「伝統的酒造り」が選ばれた。文化財の保護と継承に取り組む保持団体として同年に「日本書道文化協会」が設立され、ユネスコへの登録を目指す動きが強まっていた
政府は24年に書道の登録を申請。ユネスコの審査は年に1度だが、日本は登録件数が多いことから実質的に2年に1度の審査となっているため、25年に再申請していた