―情報処理というのは、具体的にどういうことでしょうか。
例えば、話の内容、電気やファンの音、音や光、温度、湿度といったあらゆる内容を人の脳は記憶しようとします。
『楽しい時はすぐに時間が過ぎる』とも言いますが、楽しい時はその体験だけで満たされてしまっているので、先述したような細かな情報には注意が向かないのです。
反面、退屈だったり、嫌な時は周囲の全ての情報に注意が向きやすく、脳が神経質になっているため、なかなか時間が経たないように感じるのです。
他にも、交通事故の時ってスローモーションのように見えると言いますよね。あれも、脳がネガティブなことだと判断して、あらゆる情報を集めて危険に対処しようとしているからなんです。基本的に脳は良いことよりも、リスクを回避する方向に働きやすいのですね。
―だから、嫌なことは細部まで覚えていて、ついつい根に持ってしまったり、落ち込んでしまうけれど、楽しいことはぼんやりとしたイメージでしか記憶に残らないのですね