古代メソポタミア神話において、最も重要とされる三柱の神々。その一柱である「エンキ」は、知恵と魔法、そして創造を司る神として、古代の人々から深く崇拝されていた。
「エンキ」という名は、シュメール語で「地の主」を意味し、時に「エア」(水の神殿)とも呼ばれた。彼は異母兄弟である天空神エンリル、父である最高神アヌと共に、メソポタミアのパンテオン(神々の体系)の中心に君臨していたのである。
しかし、彼の役割は単なる神々の一員にとどまらない。古代の粘土板に刻まれた叙事詩は、エンキこそが我々人類の「創造主」であり、そして「救世主」であったと、驚くべき物語を伝えている。