もちろん、トリノの聖骸布そのものが本物であるかどうかは、今もなお議論の的だ。しかし、グラッソ氏の研究は、聖骸布に残された血痕という“物証”を、最新の科学的知見で分析することで、2000年前に起きたとされる受難の、より生々しく、具体的な姿を我々の前に描き出して見せた。 イエスの最後の数時間を刻んだとされる、一枚の古い布。そこに残された血の痕跡は、科学という新たな光を当てられることで、今、これまで誰も知らなかった恐るべき真実を語り始めたのかもしれない