2024年12月に発見された「2024 YR4」は当初、地球に衝突する可能性が懸念されたが、観測が増えるにつれて地球への衝突の可能性は劇的に低下し、現在ではほぼゼロに近くなっている。しかし一方、月へ衝突する可能性がじわりと高まっているようだ。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測と、南カリフォルニアにあるNASAジェット推進研究所(JPL)の地球近傍天体研究センターによる分析を受けて、NASAは2032年12月22日に月と衝突する可能性を4.3%に改定した。
NASAは小惑星が月面に衝突しても月の軌道は変わらないと説明している。しかし、ウェスタンオンタリオ大学の物理学教授であるポール・ウィーガート氏が率いる研究によると、小惑星は約6.5メガトンのTNT火薬に相当するエネルギーを放出し、月に直径約1キロメートルのクレーターを残す可能性があることが示唆されてる。もしこの規模の衝撃が加われば多くの月の破片が飛散し、周囲に被害が及ぶリスクがある。