一人または複数の人間が、繰り返される時間のサイクルに閉じ込められてしまう――。
古くは「SFの父」として知られるH・G・ウェルズによって小説に描かれた「タイムループ」という現象は、いまや創作の分野では馴染み深い存在といえるだろう。本や雑誌、映画、果ては日本のアニメ作品にまで登場するタイムループだが、これは架空の物語の中だけの出来事なのだろうか?
「タイムループを体験した」という主張は少なからず目に付くが、その検証は困難を極める。というのも証人となる体験者本人が、時間の感覚を失ったり、身体的な問題を抱えたりとかなりの混乱状態に陥ってしまうためだ。
彼らは数分間から場合によっては長時間にわたり、すでに見覚えのある風景をもう一度見ているような感覚に襲われる。周囲の世界が減速したり、停止するような感覚も伴う
これらはあくまでタイムループの典型例だが、結果として体験者は、自らの記憶すらも疑わしく感じてしまうのである。以下より、海外における報告に目を通し、その可能性と実態について理解を深めてみよう。