老人は杖を地面に突いた。その音が、誠が聞いていた三本目の足音だった。 「人は自分の歩みが作る道しか見ません。しかし、足の下には別の世界があるのです」 老人はそう言うと、駅の奥へと歩き去った。その背後の影は、確かに三本の足で歩いていた。 翌日、誠は老人について駅長に尋ねた。しかし駅長は首を振った。 「深夜に駅にいる老人?そんな人はいないはずだ」 ...もっと見るその夜、誠は再び足音を聞いた。今度はより多くの音。カツン、カツン、という音が複数重なっていた。彼は音を追った