非常口が開いた。中には階段があった。しかし誠の目には、それが不自然に歪んで見えた。まるで空間そのものが折り畳まれているかのように。
「さあ、一緒に行きましょう」と老人は言った。「あなたの影も、もう準備ができています」
誠は自分の足元を見た。そこには確かに影があった。しかし、それは彼の立ち姿とは少し違っていた。影は三本目の足を持ち、それは既に階段の方へ一歩踏み出していた。
恐怖と好奇心が入り混じる中、誠は階段に足を踏み入れた。
非常口の向こうの世界は、彼の想像を超えていた。無数の通路が交差し、天井も床も壁も区別がつかないほど歪んでいた。そこを歩く人々の影は皆、本体から分離し、独自の道を歩んでいた。