マレーネ・ディートリヒは、戦地で米軍兵士を慰問し、反ナチスの象徴として生きた強い女性だ。ヒトラーが彼女に憧れ、手に入らないがゆえに執着していたという構図自体は、心理学的にもありそうな話ではある。
「女は金のためなら何でもする。エヴァを見ればわかる」と豪語しつつ、結局ディートリヒには相手にされなかった独裁者。
この日記が巧妙な偽造品だとしても、そこに描かれた「哀れな男の肖像」は、ある意味でヒトラーという人物の小物感を的確に捉えているのかもしれない。
真贋の判定が出るまでは、眉に唾をつけつつ、この奇妙な「片思い物語」を楽しんでおくのが正解だろう