俺の家族は父が結婚して独立して、それでたまたま買った土地に住んでたというだけで、地元の歴史とかを教えられて育ってはいなくてさ
でも田舎だから先祖代々そこに住むという同級生も多くて、土地の昔話を聞かされて育った奴らが友達になってくんだけど
そんな奴らが口を揃えて「ヤバい」と話す場所が地元にはあってさ
そこは昔の処刑場、首を落としていたとか、並べていたとか、そういう場所だったらしいんだけど
その跡地とされる場所には、色のついた壁の小さな団地と、近隣の人が利用する体育館と、ゲートボール場と電話ボックスがあって
今から20年以上前の中学生時代に友人達から聞いた話だと、その団地に住む人達は、家中にお札を貼って何かから守る様にしているんだと
その団地には先輩や後輩が住んでいて、その家に行った事のある友人達が実際に見たものとして聞いたから、噂話こわい話という感じではなく、特殊な場所だなと受け入れられたというか
そこに住む人たち、そこに立ち入る人たちにとっては、それは特殊でも何でもなくて、当たり前、当然の事だったみたいで