裁判所という場所柄、強い情念や怨みが渦巻いていても不思議ではない。日本でも古戦場や処刑場跡地に幽霊が出るという話は枚挙にいとまがないが、法廷という生死を分ける場所には、やはり特別な磁場のようなものがあるのかもしれない。
一方で、冷静な懐疑派からは「ガラスや金属に反射した熱源をカメラが拾っただけではないか」という指摘もある。サーモカメラは時として、鏡に映った自分自身の熱を感知してしまうことがあるからだ。
しかし、もし反射だとしても、その「元」となる熱源はどこにあったのか?
果たしてこの熱源は、処刑された女性の霊魂なのか、それとも単なる光の悪戯なのか。真実は闇の中だが、無人のロビーに浮かぶ赤い影が、見る者の想像力を掻き立ててやまないことだけは確かだ