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16: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2026-03-13 16:21:40 OMPVG0082

最後のピエタ 89歳まで創作を続ける


『ロンダニーニのピエタ』1559?-1564頃 ミケランジェロは生涯に4つのピエタ――十字架から降ろされたイエスを、母マリアが抱きかかえる図柄――を制作している。その最初が24歳の時のデビュー作であった、現在ヴァティカンにあるピエタである。そして最後に取り組み、未完のまま終わったのが「ロンダニーニのピエタ」であり、その作風はデビュー作とまったく異なり、研ぎ澄まされた精神性が表れている。ミケランジェロは89歳の生涯を終えるまで、鑿を振るい続けた。
(引用)「ロンダニーニのピエタ」像は、「ピエタ」だと教えられているから、聖母マリアと十字架から降ろされたイエス・キリストの彫像だと思って観ようとするが、そういう知識を前もって与えられていなかったら、どんなふうに観えるか。一人の倒れかかっている裸の男を後から抱き上げ引き揚げようとしている頭衣を着けた女の人の像、ということになるだろう。この彫像には、女の人に、マリアであるトリビュートは一切ない。裾裳から剥き出した左脛は、むしろマリアであってはならない様相を呈している。イエスは素裸で聖痕もない。・・・もう息を引き取っているのに、死んじゃだめ、と抱きしめながら心の奥で叫んでいる。「ロンダニーニのピエタ」は、鎮魂と蘇生への必死の願いを籠めた像である。
 ミラノのスフォルツァ城美術館の奥のほうに展示してある「ロンダニーニのピエタ」の周りを巡って、いろいろな角度から眺めていると、はっとする姿に出会う。まるで二人が一つの大きな羽根のようになって飛翔しようとしている。・・・これこそ、「昇天」の類い希な形象化ではないだろうか。<木下長宏『ミケランジェロ』2013 中公新書 p.218~221>

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