一体誰が、何のためにこの石の村を築いたのか。その答えのヒントは、この地に古くから伝わる伝説にあるのかもしれない。
地元では、この石の家々は「モリヤル」と呼ばれる、今はもう存在しない小人族によって建てられたと語り継がれている。伝説によれば、彼らは小柄ながらも超人的な怪力を持ち、優れた土木技術を駆使して巨大な石を自在に操ったという。
しかし、ある時、天から「炎の雨」が降り注ぎ、モリヤルたちは滅ぼされてしまったとされる。この伝説について、地元の歴史家は「もし彼らがそれほど小さかったのなら、どうやってこんな巨大な石を持ち上げることができたのか」と首をかしげる。伝説には、どこか矛盾がつきまとうのだ