空いたもう片方の手で、携帯電話を取り出し、伊勢に掛けようとする。 くそ、圏外だ、こんな時に! ボックスから逃げ出そうと扉に手を掛けるが、びくともしない。 さっきはあれほど軽い音を立てたのに今度は壁にでもなったかのように全く動かない。 ぼそぼそ、受話器はずっと繰り返している。 もういいよ、助けて誰か。 バンバンと扉を叩く。 誰か、誰か! ...もっと見るひた、ひた