『ねぇねぇ、おばあちゃん!アレただの蜃気楼だよね?本当に蜃気楼だよね?怖くないよね?』
私が質問したその瞬間。
一緒に居た祖母が向き直ると顔面蒼白になって『今見たものは忘れなさい!』そう言って私の目を手で覆った。
『どうしたのおばあちゃん?』
返事がない。
祖母は表情が固まったまま私を抱っこして早足に砂浜から遠ざかっていく。
私は祖母の指の間から再び海を覗いた。
...もっと見るおかしい。
なぜか海の色が違う。
蜃気楼の動きもさっきとは明らかに違う。
さっきまで元気にビーチバレーを楽しんでたお兄ちゃん達がみんな寝ちゃってる。
ジョギングしてるお隣のお姉さんも、遠くで潮干狩りしてたおばちゃん達も、犬のお散歩させてる近所のおじいちゃんも犬と一緒に寝ちゃってる