【ⅱ.複数の取締役が退任したときの権利義務取締役について】
たとえば、定款で取締役の員数が3名以上と定めている取締役会設置会社でA、B、C、Dの4名の取締役が在籍していたとします。このうち、取締役A、B、Cの3名が同時に退任し、その後任者を選任しなかった場合、取締役が2名不足することになります。そのため、退任した取締役A、B、Cの3名のうち、2名を権利義務取締役として取り扱えばよいとも考えられるところです。
ですが、上記のケースでは、退任した取締役A、B、C全員が権利義務取締役となります。同時に複数の取締役が退任した場合、どの取締役が権利義務取締役に該当するのかという区別をすることができません。そのようなことから、同時に退任した取締役全員を権利義務取締役として扱うことにしているのです。(S37・8・18民事甲2350号)