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1: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2025-08-07 14:18:07 OMPVG0082

じゃあ俺の高校の頃の思い出。

高校の裏手にあるグラウンドは雨が降るといつも水浸しだった。

昔田んぼだったんだから無理も無い。グラウンドの向こうはずうっと田んぼで、ところどころ家が建っているのが見えるのどかな立地。
テニス部にいた俺はそのグラウンドで毎日楽しく練習していた。

その日は梅雨で、雨がしとしとと降っていた。
当然グラウンドはびちゃびちゃのぐちゃぐちゃで、どうしようもないから校舎の中を走る練習に切り替えられた。
「めんどいなー」
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2: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2025-08-07 14:18:46 OMPVG0082

「おいきもだめししねー?」
突然おまるが変なこと言い出した。おまるは普段から変な遊びを提案しては周りを面白がらせる奴で、
結構面白かったし、何よりあだ名がおまるでいい感じだった。

「いいじゃんやろーぜ」
みんな馬鹿だから提案にのる。
「どこでやんだよ」
「隣の女子の部屋にいってくる」
「それ肝試しじゃねーだろエロだめしだろ」
という感じで場所は学校から裏のグラウンド(通称裏グラ)のはずれにあるラグビーのゴール地点(名前忘れた)
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3: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2025-08-07 14:19:17 OMPVG0082

じゃんけんの結果俺は3番目、一番は小島、2番が青山。4番おまる、5番神山

いよいよ出かける際になって、なんだかみんなの顔が暗くなった。
実際ほんとにやる段になると恐いんだよね・・。

そんなくらい空気を破るように元気よく「じゃあ行って来るぜイクイクー」と小島が出て行った。

部長以下2年3年はもう帰る準備をしている。
「お前らも肝試しなんて、ほんと馬鹿だなー、鍵なくすなよな」といって部室のスペアキーをおまるに渡した。
雨がザーザー降る中、時計は5時半を回った。隣の女子も帰りだした。
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4: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2025-08-07 14:19:54 OMPVG0082

15分も経っただろうか。小島が帰ってきた

「小島どうだった」「幽霊いたか」「うんこふんだか」
小島は「べっつにーナンもねーよ、感想としてはやっぱグラウンドがぬるぬるしてるってだけだな」
「なんだよーもっと面白いこといえよー」「さぶ」
「うっせーなじゃあ次の思えがやればいいだろこの童貞が!!」
「うっせー全員童貞だろここにいんのはおめーもそうなくせに」

などと他愛の無い結果に終わり、青山が次にでていった。
そろそろ本格的に空が暗くなってきた。「あ」
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5: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2025-08-07 14:20:27 OMPVG0082

青山はなかなか帰ってこなかった。
5時55分にはでたと思ったのに、今はもう6時25分。
行って帰ってくるだけでゆっくりでも15分しかかからないのに。

「小島なんなんだよおじさんって」おまるが聞く。
「なんかな、俺ボーっとしてたみたいだな。田舎のおじさんにそっくりの人がグラウンドの隅っこの方にいたんだよ」

部室の空気がなんとなく張り詰めた。俺もこのときからすごく行きたくなくなってきていたのをおぼえてる。
得体の知れないおじさんがこの強い雨の中グラウンドにつったるってだけで十分恐い。

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6: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2025-08-07 14:20:51 OMPVG0082

みんな最初「どーせ小島の見たのなんて目の錯覚だろ」「うんこたれー」なんて笑っていたが、
青山が帰ってこないのでどんどん暗くなってきた。
そのおじさんが変なおじさんだったら・・
てか雨の中グラウンドだから絶対変な奴だ。やべえ。青山やべえ。

部室の外に出ると思ってたよりもっと雨が強かった。
みんななにも言わない。
手に手にラケットをもって半地下の部室から図書館と校舎の脇を抜けて弓道場の脇の裏グラへ降りる道へと向かう。
夏至も近いっていうのに6時半ですごい暗い。雲が分厚かったのか。

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7: アセム雨宮◆UD16NvPYxY
2025-08-07 14:21:15 OMPVG0082

青山はこっちに向かっているように見えた。周りにはおじさんもいないようだ。
俺もみんなもホッとした。

「青山だいじょぶじゃん」
おまるがグラウンドの金網のドアを開けて中に入った。みんなも続く。
「おーい青山ーお前おせーよ!!」
「なにやってんだよー!!」
150メートルぐらい先にいる青山に向かって俺らは叫んだ。

青山は答えない。
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