次に注目する点としては「辻」という文字が使われている事だ。この字は本来道に関してつけられたものであるため、「帷子辻」という地域もその由来として道に関係していると推測できる。国語辞書では「辻」とは「道が従事に交差しているところ。十字路。道端。」とされており、地理的にみると帷子辻もほぼその要件を満たしている。1780年の『都名所図会』では、帷子辻は、材木町の東にあり、上嵯峨・下嵯峨・太秦・常盤・広沢・愛宕等の分かれ道なり。」となっていて、現在でも三条通が嵐山に通ずる幹線として貫き、その北側には双ヶ岡から北嵯峨にかけて嵯峨野の段丘が連なって、その南端にはいまの嵐電「帷子ノ辻駅」がある