イングランド王国の国王(在位871~899年)。アングロ=サクソン人の七王国の一つウェセックス王エグバートの孫。父はエゼルウルフ。父や兄たちはそのころ強まっていたデーン人(ヴァイキングとも言われた)の侵攻と死闘を繰り返し、次々と倒れ、末子のアルフレッドが871年に即位した。デーン人は850年にブリテン島に定住を開始していたが、アルフレッドはサクソン人諸国をまとめることに成功し、デーン人との間で支配領域の協定を結んだ(878年)。その後もデーン人との衝突は続き、886年にはロンドンを奪回し、デーン人との戦闘に勝利した。
アルフレッドはデーン人との間でイングランド北東部の統治権(デーンロー)を認める条約を結び、戦闘を終結させて、自らはイングランド南西部の支配権を保持した。これによってイングランド王国は滅亡を免れた。アルフレッドはまたラテン語の英訳などの学問の保護に熱心であったので、「イギリスのカール大帝」と言われ、「大王」と称された。 → イギリス(2) <右の写真は、指昭博『図説イギリスの歴史』2002 河出書房新社 p.14 より>