国語
<現代文> 第1問は、幼少期の私的な体験と芸術的体験の根源について論じた評論からの出題である。すべての設問が一つの文章からの出題であり、昨年同様、センター試験第1問と類似したタイプの設問である。第2問は、一昨年出題された語句の意味を問う問題が、昨年同様出題されなかった。本文は、現在と過去が交錯するというやや複雑な構造を持つが、設問は正誤の判定がつきやすいものが多かった。第3問は、昨年度がグラフなどの読み取りを中心とした〈情報処理の力〉を問う問題が中心であったのに対し、今回は〈情報をどう表現するか〉といったことをめぐる問題が中心となった。現代文第3問の出題は今回でまだ2度目だが、今後の出題傾向が予測しがたいものになったといえる。
<古文>平安時代の作り物語『うつほ物語』の一場面から出題された。昨年は、本文が二つの違う作品であったが、今年は、本文が一つの作品だけであり、問5で同一作品の別の箇所が引用されていた。引用された文章は、本文の場面にいた右大臣が、帝にその時のことを報告する場面であり、複数の古文を併せ読む共通テストの傾向を踏襲していた。例年あった和歌は本文になく、また、設問にもなっていなかった。昨年はなかったが、共通テストになって新傾向の設問として定着していた、語句と内容に関する設問が復活した。また、共通テストの新傾向であった生徒たちの話し合いの場面は出題されなかった。
<漢文>江戸時代の漢学者の評論が出題され、主題は詩論であった。これまで出題頻度が高かった漢詩は出題されなかった。本文の形式は、昨年までは複数の文章が出題されたが、本年は文章は1つとなり、設問中に比較的短い資料が出題された。否定形、使役形、詠嘆形といった基本句形の用法を押さえつつ、本文の段落ごとの主旨を正確に読み取り、選択肢と慎重に照合させる必要があった。