兵庫県農業共済組合(神戸市)の南あわじ家畜診療所の女性獣医師=当時(33)=が2023年8月に自死したのは、長時間労働で持病を悪化させたことが原因だったとして淡路労働基準監督署が労災認定していたことが29日までに分かった。自死2カ月前の時間外労働がそれまでの倍以上の月100時間近くに急増していた。遺族の代理人弁護士が明らかにした
女性は21年4月、同組合に採用された。初任地は丹波市内の診療所で、牛など家畜の往診に当たっていた。1日の診察が数十頭に上ることもあり、車での移動も長距離になったという。23年4月に南あわじ市に異動し、8月中旬、同市内の自宅で亡くなっているのを女性の家族が見つけた
亡くなる3カ月前の同年5月下旬から時間外労働が徐々に増加。翌6月中旬からの1カ月間は97時間に達し、ひと月前の倍以上になっていた。労基署は仕事量の急増で心理的負担が強くなり、持病が悪化したとして、26年1月23日付で労災認定した
女性の両親によると、23年4~8月の時間外労働はパソコンの利用時間などが算出の根拠になったといい、本人の申告よりも計約150時間多かった。 両親は「忙しくて通院できず、薬も飲めなくなり持病が悪化した。勤務管理が本人任せになっており、組織としてもっと労働状況を把握するべきだった」と指摘。県農業共済組合から未払い賃金は支払われたが、近く同組合に損害賠償を求める方針という
また丹波市内に勤務していた頃から長時間労働だったと訴えている。 同組合は、女性が亡くなったことについて「回答を差し控える」とし「今後とも職員の労務環境を適切なものにするよう努めていきたい」とコメントした