高校野球で来春の選抜大会から指名打者(DH)制を導入する方針であることが28日、分かった。近日中に開かれる日本高野連の理事会で、同制度採用を議題に挙げることを複数の関係者が明かした。理事会での承認に支障はない見通しで、承認されれば、高校野球の公式戦で初めてDH制が採用されることになる
高校野球におけるDH制導入の議論は、日本高野連が今年1月に発足させた「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」で行われてきた。同会議は、日本高野連の宝馨会長やU18高校日本代表監督の小倉全由氏ら15人で構成され、7回制やリプレー検証の導入について検討するなど、高校野球が直面するさまざまな課題について話し合いを重ねてきた
同会議の議論の中心である7回制が採用された場合には、選手のプレー機会が減少する懸念がある。そこで、一人でも多くの選手に出場機会を与える方法の一つとしてDH制が検討されてきた。同制度には、打撃が長所など一芸に秀でた選手の出場機会増加、打撃や走塁時における投手の故障予防などの側面もある。検討会議のメンバーも大半が賛成していることから、7回制導入可否の判断を待つことなく、近日中に開催される理事会で議題に挙げることになったとみられる
7回制の議論が本格化する以前から、指導者の間ではDH制を求める声が数多くあった。DH制が採用されているU18W杯で監督経験がある明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は昨年8月に「(導入するなら)7回制よりDH制の方を先にすべきではないかと思っている。(先発投手がDHを兼任する)“大谷ルール”ができたのだから。投手を(打者として)出したい場合も出せるからね」と言及。DH制の導入に賛成の立場を示していた
アマチュア野球界でDH制の採用が広がっている。大学野球では、東京六大学野球と関西学生野球で来春リーグ戦から同制度を採用することを発表。この2連盟の採用により、来年度からは全国大学野球の全27連盟がDH制となる。高校野球でもDH制が導入されることになれば、高校生以上のカテゴリーではプロ野球のセ・リーグ以外でDH制が敷かれることになる
導入時期については、今秋公式戦は見送り、来春選抜から採用する案が濃厚とみられる。7回制が議論されるなど高校野球が大きな変革期を迎えている中、新たな一歩を踏み出すことになりそうだ