「俺たちの中では有名なんだけど、あの●●霊園。あそこの裏手に山道あるよね。そこの公衆電話出るんだって。高速に出るにはあっち通る方が近いから、遠距離に行く客がいたら大体そこ通るんだけどさ。俺は見たことないけど、結構お盆辺りには出る出る言ってるから、今ぐらいの時期なんかちょうどいいんじゃないかい?」
当時、携帯電話普及に反比例するかのようにだんだんその数が減って来ていて、公衆電話は珍しくなっていた。
その話を聞いたときのみんなの反応は、しょうがないからそこに行って暇つぶしをするか、というものだった。
何も選択肢がない状態で、行くか行かないかどちらかを選べ、と言われたら誰でも消極的にだが行く方を選ぶだろう。
僕たちもそんな心理状態だった。
自転車で一時間。
途中にある長いトンネルを抜け、目的地に着いた。
真っ暗な中に白い明かりが一つ。
...もっと見る周りには外灯すらなく、やたらと公衆電話ボックスの存在感があった。
これかぁなどと、わいわいと群がり、ああでもないこうでもないと感想を言い合う